7月初めの帯広→札幌→富良野の連続3日間のステ ージで完全燃焼したあとは、ついに2015年の新作DVDの製作に入ります。ここで宣言したのは、DVD製作もすべて1人でこなしているため産みの苦しみがあり、ついつい先延ばしにしてしまいがちなので、ここでバーンと言っておけば、引くに引けなくなるからいいかなあと思ったわけです。
新作の大半は新しいリリースプロジェクト『ペティルーションズ』としてリリースされる予定です。『ペティルーションズ』とは私の造語です。マジックの世界では、マジシャンがいつも演じているマジックのことを「ペットトリック」と言います。「常に一緒にいるペットのようなマジック」という意味です。
『ペティルーションズ』は「ペット+イリュージョンズ(錯覚)』を合わせた造語で、私が「1年以上」「実際に現場で演じた」「鉄板ネタ」だけをリリースするプロジェクトです。中には、今現在も現場で使っている演目もあります。自分で言うのもなんですが、常に新しいものを求めるスペが現場で1年以上演じてきただけあり、原理も手順もピカピカに磨き上げられた「実用的な一級品」たちです。『パステルキラー』などは、ステージでもクロースアップでも演じられ、毎回100%、お客様から「笑い」「戦慄」「緊張」を引き出し、最後は「不思議さ」をがっちり残して拍手喝采をいただけるという、今まで創作したマジックの中でも最高傑作だと思っています。なぜ、現場で現在進行形で使っているものまでリリースしてしまうのかと言いますと、自分自身が沈殿しないためです。
プロの方の中には、受けるネタがあるからといって、そればかりを演じて金太郎飴のようになってしまう方がたくさんいます。初見のお客様はもちろん楽しめますが、再度ブッキングしていただくときにほとんど前回と同じ演目であったなら、次のブッキングはあまり期待できないでしょう。
「この人を呼ぶと毎回違うものを見せてくれる。いったい次は何をやってくれるんだろう」と思っていただいた方が、必ず再ブッキングが増えていくと考えますし、こちらも演じることに対する情熱が淀むことなく、常にフレッシュな気持ちでショーが出来ます。
そういった意味で、『ペティルーションズ』プロジェクトを考えました。自分の一番ネタでも、あえて他のマジシャンに公開して、自分は新しいものを作る。何人かのマジシャンには「もったいねー」と言われましたが、まあ、自分のトリックなので、やりたいようにやります。
観客にとって、常に予測不可能なマジシャンになることが、最優先です。
8月くらいには最初のDVDをリリースできる予定です。国内と海外のマジックショップ全般での取り扱いを予定していますが、札幌の「マジックメビウス」では、その他のマジックショップより1〜2週間早く先行販売される予定です。先行リリースが決まったら、またこちらでお知らせしますので、「マジックメビウス」までご来店ください。
さて、まずは7月の炎の3日間をガッツリ盛り上げます!